治療について

他医院で抜歯と診断された方へ〜可能な限り歯を残す治療

他医院で『抜歯』と診断されてしまった歯、まだ諦めないでください。

つぎのようなケースは、抜歯と診断されることが多くあります。
✔︎むし歯が過度に進行している
✔︎歯が割れてる、折れている
✔︎歯の根に大きな膿がある

虫歯により健康な歯が2mm以上ない、歯が割れているなどの場合は、基本的には抜歯が必要ですが、歯の状態により残せるケースもあります。

当医院では、上記のような場合であってもすぐに抜歯と診断せず、レントゲンにて根の長さと隣の歯の状態を考慮の上、慎重に虫歯を除去します。

そして健康な歯質を限りなく残すように努めた上で、歯の量、状態に応じて診断し以下の治療法のご提案を行っております。

歯を残すための具体的な治療方法
1.MTM(小矯正/エクストルージョン)
2.クラウンレングスニング
3.MTAセメントによるクラックの補修
4.意図的再植法
5.歯根端切除術
(※保険適用外)

MTM(小矯正/エクストルージョン)

埋まっている歯を(2mmの幅を得るために)上に引っ張りあげ、その歯を土台にして被せ物を装着する、という治療法です。

治療手順
1.虫歯などにより歯冠が失われ、歯根しかない歯の両隣の歯に矯正装置のワイヤーをつけます。
2.歯根にフック状のワイヤーを付けて、ゴムの力で引っ張り上げます。
3.歯を引っ張りあげてから骨が出来るまでしばらく待ったあとで、歯周靭帯を整える手術をして、仮歯を入れ固定します。
4.矯正力をかけた期間と同じ期間固定し、安定後、型取りし、被せ物をしていきます。(別途:セラミック代)

治療前の歯です

ワイヤーと歯の間には2mmほどの隙間があります

部分矯正2週間後。ワイヤーと歯の間の隙間が無くなり、2mmほど歯が動いたのがわかります

 

上記の症例は、奥歯なので、歯ブラシのしやすさなども考慮し、治療期間中も仮歯はつけていません。
前歯のMTMの場合は仮歯をつけますので見た目の心配はいりません。ご安心ください。
この矯正方法では通常のワイヤー矯正やマウスピース矯正よりもさらに短期間で歯を動かすことができます。

歯周外科(クラウンレングスニング)

土台となる歯の高さ2mmを得るために、骨を削る方法です。(外科処置のため、写真は割愛させていただきます)
根の数が多い奥歯などは、矯正力がかかりにくいのでこちらの方法が適していることが多いです。

実際の治療の様子と予後
この症例は治療4年経過。歯根が短く心配しているところもありますが、痛みなく何でも噛める状態を維持しているようです。

・歯を残す治療法をしないと抜歯の診断となるケースです。

MTAセメントによるクラック(破折部分)の補修

再根管治療にはヒビや破折、内部の穴などが感染源が原因で再度痛みや膿みが溜まっていることがあります。その際、今までは抜歯と診断するより手段がなかったのですが、小さなひびであればMTAセメントで埋めることによって、歯のひびを封鎖し、細菌が入りにくい状態にすることができます。

また、治療を何度も繰り返していたりなど、歯が薄くなり穴が空いてしまっている場合も抜歯せず、MTAセメントで埋めることによって、細菌の侵入を防ぎ、歯の寿命を伸ばすことができます。

MTAセメントとは

歯科用の水硬性セメントで、ケイ酸三カルシウム、ケイ酸二カルシウム、酸化ビスマス、石膏などが主な成分です。

強アルカリ性(PH12)で、強い殺菌作用をもち、口腔内のように水分の多い状態でも硬化する性質を持っています。当医院での根管治療の充填剤はもちろんのこと、ヒビ(クラック)や穴(パーフォレーション)にも使用し、歯の寿命を伸ばす治療のひとつとして使用しています。

ただし、ヒビではなく、完全に歯が割れてしまい歯肉が中に入り込んでしまっているような状態、歯の穴が大きすぎる場合には、適応できないこと、100%の治療ではないことをご理解ください。

費用:根管治療(回数2~3回程)1本あたり11,000円(税込)
別途ラバーダム防湿のための隔壁、ヒビ、穴などのMTA修復 各5,500円(税込)

意図的再植法

意図的再植法とは、一度歯を抜いて、根の外にある感染部分を取り除き、再度歯を戻してくっつけるという方法です。

リスク(デメリット)
・歯の根の形によっては、抜く際に歯が折れてしまい、そのまま抜歯になることがある.
・再植には、根の周りにある歯根膜という組織が必要不可欠になるのですが、その際に歯根膜が取れてしまったり、損傷する場合もあり、その際はくっけることができない。

上記より、通常の根管治療の上、どうしても根管外に細菌感染があり、治癒しないという症例に限り、施術させていただいております。

治療例
(抜歯し、ヒビ割れ部分の清掃、補修)


レントゲン左が再植直後、右が再植半年後、骨ができているのがわかる。
治療し4年、痛みや動揺なく、しっかり噛めているようです。

リスクがある治療でしたが、骨の再生具合も良く、患者様に大変喜んでいただいており、私としても歯を守ることができ大変嬉しいケースでした。

まとめ:
抜歯に至る原因により、治療方法が異なるだけでなく、患者様がどのような治療を望まれているのか?により、治療方法のベストは異なってきます。
インプラントは嫌、入れ歯は嫌、高いのは嫌、矯正は嫌、治療回数が少ないほうがよい…etc など、ぜひ、お聞かせください。

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